成人矯正

成人矯正は、歯や顎の成長・発育が終了し、永久歯が生え揃った方が行なう矯正治療です。成人矯正では、主に以下のような装置を使います。
・ラビアル(唇側矯正)…歯の表面に装置をつける
・リンガル(舌側矯正)…歯の裏側に装置をつける
・ハーフリンガル…上の歯は裏側に、下の歯は表側に装置をつける
・インプラント矯正…骨に『矯正用インプラント』を埋め込み、それを固定源として歯を動かす
・ワイヤーレス 矯正…カスタムオーダーでつくった透明なマウスピース状の装置をつける
舌側矯正(リンガル)

舌側矯正(リンガル)は、歯の裏面に装置をつける方法で、装置が外から見えにくいという特徴があります。舌側矯正で使うブラケットには、主に以下のようなものがあります。
ブラケット(Kurz7th・STb・クリッピーL・リンガルミニ)
・ブラケット(Kurz7th)
…やや大きめだが、効果的に歯を動かせる
・ブラケット(クリッピーL)
…薄くて小さく、丸みを帯びており、「食べにくい」「話しにくい」などの問題を軽減できる
・ブラケット(クリッピーL)
…摩擦抵抗が少なく、持続的に弱い力をかけて歯を動かすので、治療期間の短縮が期待できる
・ブラケット(リンガルミニ)
…気になる部分だけを矯正する部分矯正で、歯の裏側に装置をつける
ハーフリンガル

ハーフリンガルは、上の歯は裏側に、下の歯は表側に装置をつける方法です。目立ちやすい上の歯だけ装置を裏側につけるので、外から見えにくいという特徴があります。裏側に装置をつけるのは上の歯だけなので、通常の裏側矯正に比べて費用が安くなります。
ワイヤーレス & マウスピース矯正

カスタムオーダーでつくった、薄くて軽い透明なマウスピース状の装置をつけて歯を動かす方法で、自分で取り外せるのが特徴です。 ワイヤーレス & マウスピース矯正には、主に以下のような装置があります。
マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン・アソアライナー)
●マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(インビザライン)
・アメリカでつくられている
・最初に歯の移動をシミュレーションし、すべての段階のアライナーを一度にまとめてつくる
・約2週間ごとに、次の段階の新しいマウスピースと交換する
●マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(アソアライナー)
・日本でつくられている
・約2週間ごとに新しいマウスピースと交換し、そのときに次の段階の型を取る
●ご案内
・インビザラインは完成物薬機法対象外の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
・自由診療となり費用は660,000円~990,000円です。
唇側矯正(ラビアル)

唇側矯正(ラビアル)は、歯の表面に装置をつける方法です。唇側矯正で使うブラケットには、主に以下のようなものがあります。
ブラケット(クリアティSL・ジルコニアブラケット)
・クリアティSL…半透明のセラミックでできており、目立ちにくい
・ジルコニアブラケット…ジルコニアでできており、身体にやさしく美しい
インプラント矯正

一般的なインプラント治療に使われるインプラントよりも小さい『矯正用インプラント』を骨に埋め込み、それを固定源として歯を動かす方法です。ほかの矯正治療では困難だった歯の移動ができ、治療期間も短縮できます。歯が目的の場所に移動したら、インプラントを取り除きます。
小児(子どもの)矯正

小児矯正は、歯や顎が成長・発育している子どもの時期に行なう矯正治療です。歯だけ動かす成人矯正とは異なり、顎の骨をコントロールしながら治療を進められるので、良好な結果を得やすくなります。 小児矯正では、主に以下のような装置を使います。
・拡大床…顎の骨が小さくて歯が並びきらない場合に使い、顎の骨を拡大する
・ヘッドギア…上顎を後方に下げる
・バイオネーター…出っ歯の場合に使い、主に下顎の成長促進を行う
・フェイシャルマスク…骨格的な受け口を改善する
・咬合挙上板…下の前歯が上の前歯に隠れてしまう深い咬み合わせを改善する
・リンガルアーチ…スプリングの弾力で、歯列の拡大や、前歯の移動などを行なう
・マウスピース型矯正装置(ムーシールド・プレオルソ)…マウスピース型の装置で、受け口の子どもの早期・初期治療に使う
保定装置(リテーナー)の種類

歯が目的の場所に動いても、そのままにしていると元の場所に戻ろうとして動く『後戻り』が起きてしまいます。それを防ぐため、『リテーナー』という保定装置をつけ、移動先の歯が後戻りしないよう安定させます。
矯正治療のメリット・デメリット
メリット
・矯正治療全体のメリットは、歯並びが良くなることに加え、噛み合わせも改善することです。
・裏側矯正とマウスピース矯正のメリットは、装置が目立ちにくいため治療をしていることが周囲の人に気付かれにくいことです。
デメリット
・治療中は、歯周病や虫歯になりやすいため、 より口腔ケアに気をつける必要があります。
・リンガル(舌側矯正)…歯肉炎になることがある、歯みがきがしづらい、滑舌に影響がある
・ハーフリンガル…歯肉炎になることがある、歯みがきがしづらい、滑舌に影響がある
・ラビアル(唇側矯正)…虫歯になりやすい
・両方…口内炎になることがある
治療期間・受診回数(目安)
一般的な治療期間と通院回数の目安です。
全て、歯並びの状態や通院状況などで異なります。
大人の矯正
・ラビアル(唇側矯正)…治療期間は平均2年0ヵ月~3年0ヵ月程度、受診回数は平均24~36回程度です。
・リンガル(舌側矯正)…治療期間は平均2年0ヵ月~3年0ヵ月程度、受診回数は平均20回程度です。
・ハーフリンガル…治療期間は平均2年0ヵ月~3年0ヵ月程度、受診回数は平均20回程度です。
・ワイヤーレス & マウスピース矯正…治療期間は平均2年0ヵ月~3年0ヵ月程度、受診回数は平均20回程度です。
子供の矯正
治療期間は1年~10年、受診回数は平均20~30回程度です。
子供の場合は、歯並びの状態や顎の成長、乳歯の生え変わりによって期間が異なります。